新入社員が3ケ月で契約獲得できる新規営業の仕組み構築7ステップ
株式会社 結コンサルティング
「大手との取引はあるが下請けのような状態であり、新規取引先を開拓したい」
「社長である私がトップセールスマンであり、このままでは後継者にバトンを渡せない」
「新入社員でも一人前の新規営業担当者に育てる仕組みを構築したい」
もしあなたがそう考えているならば、新規営業を仕組み化して新入社員でも開拓できるようにすることは有効な手段です。
新入社員でも3ケ月で一人前の新規営業担当者として育成するプログラムをつくりあげることで、新規営業を仕組み化することができるからです。
新入社員を3ケ月で一人前の新規営業担当者として育成できるはずがない!と思われるかもしれませんが、大風呂敷を広げているわけではありません。
新規営業に限らず、あらゆる業務で新入社員を3ケ月で一人前の○○担当者として育成するプログラムがないと、いつまで経っても社長であるあなたや古参の従業員がいなければ現場が回らない現状維持が精一杯の組織のままで停滞してしまいます。
社内のあらゆる業務の重要なところがブラックボックスになっていて、□□さんに相談しないとどう対応していいかわからない、少しでもイレギュラーな問題が発生したら対応できない、など属人的な業務が残っていると休暇も自由に取得させることさえできません。
例えば、ハンバーガーチェーンのように、これまで働いたことのない学生や主婦でも、3ケ月で一人前のスタッフとして活用できれば、どれだけ組織が活性化するでしょうか?
こんな例え話をすると、「我が社の業務はハンバーガーチェーンとは違う!」「もっと複雑で高度な能力が必要だ!」と怒る社長もいらっしゃいますが、その複雑で高度な能力をきちんと整理して、新入社員でも理解・実践できるように簡素化すればいいのではないでしょうか?現代ではAIなどのツールも発展してきていますので、いくらでもやりようがあります。
このコラムでは、31年間の銀行員経験で、4,000社以上のオーナー社長、そして企業経営と関わってきた知見をお伝えし、新規営業を仕組み化して新入社員でも開拓できるようにする仕組みづくりのノウハウをご紹介します。
あなたの会社の新規営業を強化するために、新規営業を仕組み化して新入社員でも開拓できるようにすることはとても心強い味方となるでしょう。新規営業開拓にお悩みの社長はぜひご覧ください。
【1.新入社員を3ケ月で一人前の新規営業担当者として育成・活用できる「新規営業の仕組み」】
新入社員でも3ケ月で一人前の新規営業担当者として育成・活用できるようにするためにオススメの方法、それは「新規営業の仕組み」です。
新規営業の仕組みで新入社員を3ケ月で一人前の新規営業担当者として育成・活用できる理由は
① 新規営業についての現状認識と戦略的プロセス明確化し、
② マーケティングとアプローチ戦略で、
③新規取引先を獲得できる「三種の神器」を活用できるからです。
属人的でブラックボックスになっていた新規営業を仕組みで運営することで、見える化でき、進捗状況が一目瞭然となります。これまでのように、各担当者に「あの案件の進捗状況はどうなっているのか?」と、個別にヒアリングしなければわからないということがなくなります。
さらに、他の新規営業手法に比べて次のような点において、新規営業の仕組みは新規開拓強化策として有用です。
①新規営業の開拓活動を会社の資産とすることができる
②属人性を排除することで誰でも(=新入社員でも)新規営業開拓できる
③どんな状況下でも売上高を計画的に達成する・倍増することが可能になる
新規営業の仕組みを用いた新規開拓強化策の利点や仕組み構築のステップについては、3章・4章で詳しく解説していきます。
【2.新規営業の仕組みで売上を倍増している事例3選】
実際にこの新規営業の仕組みを使って新規開拓強化策を行なっている事例を見てみましょう。いずれも私のクライアントの事例です。どんな方が、どうやって新規開拓強化策をしているのか、イメージがつかめるはずです。
「事例はいいから、メリットや仕組みを早く知りたい」という方は3章を先にお読みください。
①コロナ後にBtoCからBtoBに販売先を転換し、売上高を3倍にした食品販売業A社
コロナ前は経営が順調でしたが、コロナによる非常事態宣言などで、これまで行っていた試食販売などの個人向けの販売活動が全くできなくなりました。
試食販売では、試食していただいた方の2割は購入していただけていたので、どれだけの売上をつくりたいかを自社でコントロールしていました。しかし、非常事態宣言などにより試食販売自体ができなくなってしまったことから、これまでの個人向けではなく、法人向けをメインに新規営業の仕組みを始められたのです。
ただ単に、法人向けの卸売を開始するだけでなく、大手百貨店や特色のある販売店を中心に卸売することで、大手百貨店でも取り扱いのある素敵な商品であるというブランディングも同時に行うことで、富裕層向けの新規開拓を強化することができました。
これまでメインでやってきた試食販売が完全にストップし、ジリ貧になっていた売上高は前年比3倍という結果につながりました。個人向けの試食販売のために販売の仕組みなど全くなく、コロナの影響で廃業も考えなければならないところまで追い詰められましたが、法人向けに新規営業の仕組みを構築し、大手百貨店や特色のある販売店を中心に新規開拓を強化することができ、今後も増収増益を目指して新規営業をしています。
②トップセールスマンの社長を超えた新入社員を輩出し、売上を倍増した卸売業T社
10年前に卸売業を起業した社長が、現在でもトップセールスマンとして売上のほとんどを獲得しており、息子への事業承継を考えた際、社長がいなければこの会社が成り立たず、このままでは事業承継ができないことに悩みがありました。
これまでは社長としてがむしゃらに働いてきたが、事業承継するためには、個人商店の延長ではなく、会社としてきちんとした組織をつくらなければならない。社長がいなくても会社として組織で回る仕組みをつくらなければ、大黒柱である社長が関与しなくなった時点で会社を廃業・清算しなければならなくなる。
息子への事業承継をしていくためにも、収益の源泉である新規営業について、トップセールスマンである自分のノウハウや人脈を、新規営業の担当者にきちんと引き継げるようにしたいと社長は考えました。
社長自ら、これまでの新規営業プロセスについて見直すとともに、営業マニュアルや人脈について整理するとともに、新規営業の仕組みを構築し、手始めに新入社員にOJTしたところ、6ケ月後にはその新入社員が社長の売上・利益を超える数字を叩き出したのです。
新入社員のため、スキルは高くありませんでしたが、社長が作成した営業マニュアルや人脈を愚直に活用した結果、驚くほどの成果を出すことができました。
現在はこの新入社員が営業マニュアルの修正を行うまでに成長し、従業員のだれもが新規営業の開拓担当者となれるように平準化を図っているところです。
③高利益商品のセールス強化で前年比2倍の売上高・3倍の利益を達成した製造業X社
X社の社長は、自社の新規営業担当者の活動内容に不満を持っていました。というのも、新規営業担当者の大半が、売りやすい安価な旧型の商品だけを販売しており、高機能・高性能で高価な新商品を積極的に販売していなかったのです。
営業担当者だけでなく製造部門にもヒアリングした上で、商品のスクラップ・アンド・ビルドを実施し、利益率は低いが売りやすい安価な旧型の商品を廃止するとともに、利益率が高くて高機能・高性能な新商品を増産することにしました。
また、それに伴いこれまで各営業担当者の裁量に任せていた新規営業のプロセスを統一し、利益率が高くて高機能・高性能な新商品を販売するための営業マニュアルをつくるとともに、営業マニュアル以外の営業方法を原則禁止するという新規営業の仕組み構築に踏み切りました。
売りやすい安価な旧型の商品を廃止するという決断をくだしましたが、結果は社長の思い描いていた通りとなり、利益率が高くて高機能・高性能な新商品の売上増加に成功し、売上2倍・利益3倍という大きな効果を達成しました。
こうした事例を、多数のお客様に対し提供してまいりました。具体的な手法や注意点をご紹介しますので、ぜひご覧ください。
【3.なぜ新規営業の仕組みを構築することが中小企業にオススメなのか】
世間には、新規開拓強化目的の新規営業の仕組みに限らず、様々な新規取引先獲得方法やスキームがあります。その中でも、中小企業経営者のあなたに新規営業の仕組みがオススメな理由には、次のようなものがあります。
①新規営業の開拓活動を会社の資産とすることができるようになるから
新規営業の仕組みを用いた新規開拓強化策の大きなメリットは、新規営業のプロセスを統一・平準化した上で営業マニュアルに明文化することで、最大の効果をあげる仕組みが会社の資産として社内に構築される点です。
このことにより、われわれ中小企業にありがちな、新規営業活動でどの案件がどこまで進んでいるのか、ネックとなっていることは何であり、どのような解決策を考えるべきかなど、すべてを見える化することが可能になります。
ある日突然、トップセールスマンが競合他社の引き抜かれて、大口取引先とともに他社に持って行かれた・・・ということも防ぐことができるのです。
新規営業について、環境の変化などがあった場合には、営業マニュアルをそれに応じて修正・加筆することで、最新のマニュアルとして活用できるのです。まさに、新規営業の仕組みが会社の重要な資産になります。
②属人性を排除することで誰でも新規営業を開拓できるようになるから
大手企業とわれわれ中小企業の最大の違いが、属人性のある仕事の有無です。大手企業では、仕事に人を配置しており、だれでも同じような仕事ができるように各業務ごとにマニュアルが徹底・整備されています。
このため、新入社員や中途入社であっても、3ケ月後には一人前の担当者として仕事がこなせる仕組みが整っているのです。病欠や怪我で担当者が急に長期不在になっても、業務は滞りなく継続されるのです。
これに対して、われわれ中小企業では、人に仕事をあてており、特定の人物だけが業務をこなせるという、非常に属人的な業務が行われている場合が多いのです。このため、特定の人物は長期休暇を取得するのが難しかったり、病欠や怪我になった場合に、業務がその間滞ってしまう事態が発生してしまいます。
また、よく経営者の方から新規営業について、「とにかく優秀で、会社の売り上げに貢献してくれる即戦力。できれば、ウチの会社の営業部隊の刺激になり、更に引っ張ってくれるような人材を採用したいです。どなたかご紹介いただけませんでしょうか?」とご依頼をいただくのですが、新規営業の仕組みがあれば属人性は意味がなくなるだけでなく、優秀で即戦力の人材はかえってトラブルを起こすこともあるのです。
どうしてトラブルを起こすのかは、こちらのコラム「なぜ、経営者より優秀な営業担当者が採用できないのか?」をご参照ください。
③どんな状況下でも目標を計画的に達成することが可能になるから
3つ目の利点は、どんな状況下でも目標を計画的に達成することが可能になる点です。
新規営業の仕組みがないと、今期の着地としてどれだけの新規取引先を獲得することができて、その収益はどのくらいになるかがわかりません。相手のある話なので仕方ない・・・といった感じになってしまい、目標未達ということが多いのではないでしょうか?
一方で、新規営業の仕組みがあれば、①売上=平均単価×契約数、②契約数=アポイント数×契約率、③アポイント数=アプローチ数×アポイント応諾率などの数字をベースにどのくらいの新規営業活動をすれば目標に到達することができるのか予測することができます。
当然、相手のいることですし、環境の変化で契約率やアポイント応諾率などは常時変化しています。現在の状況を把握するとともに、今後の変動可能性も加味して予測する必要がありますが、高い確率で予測することが可能なのです。
このため、目標に対してどのくらい不足しているのか?契約率やアポイント応諾率などはどうか?これらの数値から逆算して、どの程度の新規営業活動をすれば目標を達成できるのかがわかるのです。
【4.だれでも新規営業が可能になる新規営業の仕組み】
新規営業の仕組みで、だれでも新規営業が可能になる状況を作りましょう。顧客のニーズや課題を理解し、どのような価値提案が必要となり、それをどれだけわかりやすく伝えるかがポイントとなります。
①新規営業についての現状認識と戦略的プロセスの明確化
新規営業についての現状認識と戦略的プロセスの明確化は、効果的な新規営業戦略を構築するための重要なステップです。以下に具体的なアプローチを示します。
現状認識
・市場分析とニーズの理解
自社が参入しようとする市場や業界を詳しく調査し、市場のトレンドや競合状況を把握します。顧客のニーズや課題を理解することで、どのような価値提案が必要かを特定します。
・営業プロセスの評価
現在の営業プロセスを評価し、どのステップで課題が発生しているかを洗い出します。リードの生成からクロージングまでのフローを分析し、改善点を見つけます。
・顧客のフィードバックの収集
既存顧客や見込み顧客からのフィードバックを収集し、彼らのニーズや期待について理解します。これにより、顧客視点からの改善点を特定することができます。
戦略的プロセスの明確化
・ターゲット設定とセグメンテーション
ターゲット市場を明確にし、顧客セグメントを特定します。異なる顧客に対して異なるアプローチが必要ですので、セグメンテーションは重要です。
・目標設定
どの程度の新規営業を達成したいか、具体的な数値目標を設定します。これにより、進捗をモニタリングしやすくなります。
・プロセスの明確化
新規営業のプロセスを明確に文書化します。ステップごとの役割、タスク、責任を詳細に記載し、チーム全体で共通の理解を確立します。
・価値提案の策定
ターゲットに合わせた価値提案を準備します。顧客のニーズや課題に対応するために、提供できる価値やメリットを明確に伝えることが重要です。
・プロセスの改善と最適化
定期的な評価とフィードバックを基に、営業プロセスを改善します。どのステップが効果的で、どこに改善の余地があるかを見極め、戦略の最適化を図ります。
これらのステップを経て、戦略的な新規営業プロセスを構築し、現状からの改善を実現することができます。プロセスの明確化と改善は、持続的な成果を出すために欠かせない要素です。
②マーケティングとアプローチ戦略
新規営業におけるマーケティングとアプローチ戦略は、ターゲット顧客に対して効果的なアプローチを構築し、関心を引きつけるための重要な要素です。以下に詳細を説明します。
マーケティング戦略
・ターゲット市場の定義
まず、どの市場やセグメントに焦点を当てるかを決定します。自社の製品やサービスが最も価値を提供できる顧客層を特定しましょう。
・顧客プロファイルの作成
ターゲットとなる顧客の特性や属性を明確にします。年齢、性別、職業、関心などの情報を集め、顧客プロファイルを作成します。
・価値提案の明確化
ターゲット顧客に対して、どのような価値を提供するかを明確にします。製品やサービスの特長やメリットを顧客のニーズに合わせて強調します。
アプローチ戦略
・カスタマイズされたコンタクト
ターゲット顧客に対して、カスタマイズされたアプローチを行います。顧客のニーズや関心に合わせたメッセージを用意し、一般的なスクリプトではなく個別のコンタクトを心がけます。
・複数のコミュニケーションチャネルの活用
電話、メール、ソーシャルメディア、イベントなど、複数のコミュニケーションチャネルを活用して顧客にアプローチします。ターゲットの好みや習慣に合わせた方法を選びます。
・価値提案の明示
最初のコンタクトで、自社の提供する価値を明確に伝えます。顧客の関心を引くために、どのような課題を解決できるかやメリットを具体的に説明します。
・顧客中心のアプローチ
顧客のニーズや状況に合わせてアプローチを調整します。顧客の話に耳を傾け、どのようにサポートできるかを理解することが重要です。
・フォローアップの重要性
初めてのコンタクト後も継続的なフォローアップを行います。顧客の関心を維持し、質問や疑問に迅速に対応します。
・テストと改善
異なるアプローチやメッセージを試し、データに基づいて効果を評価します。成功したアプローチを強化し、改善点を見つけるためのテストサイクルを繰り返します。
これらの戦略を組み合わせることで、ターゲット顧客に対して魅力的なアプローチを展開し、新規営業の成功を支えることができます。
③新規取引先を獲得できる「三種の神器」活用
「三種の神器」として事業未来図、提案書、営業マニュアルを活用することで、新規取引先の獲得をサポートする方法について説明します。
事業未来図の活用
・ビジョンの共有
事業未来図を通じて、自社のビジョンや目標を顧客に共有します。将来的な展望を示すことで、顧客にとって自社とのパートナーシップの価値を理解させることができます。
・顧客へのインスピレーション
事業未来図には顧客のニーズや課題に対する解決策が描かれていることが多いです。顧客のビジョンや成長にどのように貢献できるかを示し、顧客をインスパイアします。
ここで、事業未来図について、経営計画書・事業計画書と比較しながら説明します。
<経営計画書>
全社的、かつ3〜5年程度の長期的・戦略的視点で、「会社のあるべき姿」を示していく計画書。
<事業計画書>
経営計画書の経営計画の目標を達成するために、部分的な視点と、1〜3年程度の短期的視点、また、どういうアクションをするのかという戦術的視点で、「会社のあるべき姿」に到達するまでの具体的な実行プランを示した計画書。
<事業未来図>
全社的、かつ5〜10年程度の長期的・戦略的視点をもって、社長の夢である「会社のあるべき姿」を1枚の図に落とし込んだもの。
目標を達成するための中核となる、「儲かるビジネスモデル」への変更、「自走する組織」づくり、さらに目標達成へどのようなアクションをするのかという戦術的視点で、「会社のあるべき姿」に到達するまでの具体的な実行プランを示した計画書。
このように、「事業未来図」は、経営計画書と事業計画書を合体させ、社長の夢である「会社のあるべき姿」を1枚の図に示すとともに、夢の実現のためにどうすべきかを逆算していくことで、各自がいつまでに何をやるべきかを明確化し、従業員の皆さんと共有できるものにしている点が他の2つの計画書とは大きく異なります。
さらに、具体的な実行プランを従業員の方々が、その持ち場で考えて、よりよい方向に転換するために対話し、行動するために、個別具体的な方針を決定していきます。この方針が定められていることで、イレギュラーな事態が発生しても従業員が単独もしくは同僚と対話することで、どのように行動するべきかを決めていくことができるようになるのです。
提案書の活用
・カスタマイズされた提案: 提案書を顧客に合わせてカスタマイズし、具体的な課題へのアプローチや提供する価値を詳しく説明します。顧客のニーズに合わせた解決策を提供することが重要です。
・成果の予測
提案書では、提供するサービスや製品によってどのような成果が期待できるかを示します。数値や事例を交えて、顧客にメリットを明確に伝えます。
営業マニュアルの活用
スムーズなプロセスの確立: 営業マニュアルを通じて、営業プロセスを明確に定義します。ステップごとの行動やタスクを詳しく記載し、営業チームが効率的に活動できるようサポートします。
・一貫性の確保
営業マニュアルは営業チーム全体で共通の指針を提供します。コンタクトの方法、提案の構築、フォローアップなどの一貫性を確保し、プロフェッショナルな印象を与えます。
これらの「三種の神器」を組み合わせて、顧客とのコミュニケーションを強化し、顧客のニーズに合った提案を展開することで、新規取引先の獲得に効果的に貢献することができます。ただし、各要素を適切にカスタマイズし、顧客の関心を引きつける内容を提供することが大切です。
【5.新規取引先を獲得するための三種の神器は事業未来図・提案書・営業マニュアル】
「事業未来図」で、会社の事業を、5年後、10年後どのようなものにするかを定め、
「提案書」で、他社との差別化を明確にするとともに属人的なものを排除し、
「営業マニュアル」で、これまでのノウハウを社内に蓄積するとともに平準化することができるようになります。
このことにより、新入社員でも、入社3ケ月で一人前の営業担当者に育成することが可能になるだけでなく、担当者→課長→部長→役員→社長という階層毎の職務分担も明確にすることができるのです。
階層毎の職務分担を明確にすることができれば、社長が通常事務で忙殺されることもなくなり、社長が経営者として本来の仕事に取り組めるようになるのです。
①計画倒れになる経営計画書ではなく事業未来図を活用しよう
事業未来図を活用することで、計画倒れになる経営計画書の問題を回避し、より効果的なアプローチを実現できます。以下にその方法を説明します。
・インスピレーションを与える視点
事業未来図は、単なる数字や計画の羅列ではなく、社長の夢・ビジョンや目標を視覚的に表現するものです。計画倒れの経営計画書よりも、顧客やステークホルダーに対してインスピレーションを与える可能性があります。未来の成功に向けた熱意や意欲を伝えることができるのです。
・ストーリーテリングの重要性
事業未来図は、ストーリーテリングの要素を含むことができます。顧客が自社との協力をイメージしやすいように、成功のストーリーを描くことができます。計画倒れの経営計画書よりも、ストーリーの魅力によって関心を引きやすくなります。
・簡潔で明快なメッセージ
事業未来図は、複雑な数値や詳細な計画書と比べて、簡潔かつ明快なメッセージを提供することができます。重要な要素やキーメッセージを視覚的に示すことで、顧客に対して分かりやすい情報を提供します。
・共感を生む表現力
事業未来図は、顧客の立場やニーズに合わせて描くことができます。顧客が直感的に共感しやすい表現を取り入れることで、自社の提案に対する関心を高めることができます。
・柔軟性と変化への適応
事業未来図は、将来の展望やビジョンを示すものであり、柔軟性があります。計画倒れの経営計画書よりも、変化や不確実性に適応しやすい要素を含むことができます。
事業未来図を活用することで、顧客に対して魅力的なビジョンを伝え、計画倒れになる経営計画書の問題を解決することができます。視覚的なインパクトを持つ未来図を通じて、顧客との共感を築き、信頼を得ることが重要となるのです。
②汎用的な提案書ではなく相手に刺さる提案書を活用しよう
相手に刺さる提案書を活用するためのアプローチについて以下に説明します。
・顧客のニーズを理解する
提案書を作成する前に、相手のニーズや課題を深く理解します。顧客が抱える課題や目標を特定し、提案書でどのようにその解決策を提供するかを明確にします。
・カスタマイズとパーソナライズ
一般的なテンプレートではなく、相手に合わせたカスタマイズされた提案書を作成します。顧客の名前や会社名を使い、相手の状況や課題に直接関連する内容を盛り込むことで、提案書がよりパーソナルなものになります。
・価値提案の強調
提案書では、どのような価値やメリットを提供できるかを明確に示します。相手が提案を受け入れた際にどのような効果が得られるかを具体的に説明し、相手の興味を引きます。
・成功事例や顧客の声
提案書には、過去の成功事例や顧客の声を盛り込むことで、提案の信頼性を高めます。実際の実績や満足度の高い顧客の声を示すことで、相手に対して信頼を醸成します。
・ビジュアル要素の活用
テキストだけでなく、ビジュアル要素(図表、画像、グラフ)を活用して提案を視覚的に魅力的に表現します。見やすく分かりやすいデザインを取り入れることで、相手に強い印象を与えます。
・課題解決のアプローチ
提案書では、相手の課題やニーズにどのようにアプローチするかを具体的に説明します。自社のソリューションがどのように課題解決に寄与するかを示し、相手に説得力を持たせます。
・簡潔で効果的なコミュニケーション
提案書は簡潔で分かりやすい言葉で記載します。冗長な表現や難解な専門用語を避け、相手にとっての重要な情報を的確に伝えます。
相手に刺さる提案書を作成するためには、相手の視点に立ち、具体的な課題や目標に合わせて内容を構築することが重要です。カスタマイズ、パーソナライズ、価値提案、ビジュアル要素などを組み合わせて、提案書の効果を最大限に引き出しましょう。
③新入社員でも理解・実践できる営業マニュアルを活用しよう
新入社員でも理解しやすく、実践できる営業マニュアルを活用するためのアプローチについて説明します。
・シンプルで分かりやすい文言
営業マニュアルの文言は、専門用語を避けてシンプルで分かりやすいものにすることが大切です。新入社員がストレスなく理解できるよう、冗長な表現を避け、簡潔な言葉で説明します。
・段落や箇条書きの活用
マニュアル内の情報を整理するために、段落や箇条書きを積極的に活用します。情報が整然と並んでいることで、新入社員が特定の情報を迅速に見つけることができます。
・実例やシナリオの提供
営業マニュアルには、実際の営業シナリオや成功事例を盛り込むことで、新入社員が理解しやすくなります。具体的な状況に基づいて行動する方法を提案し、実践の参考にします。
・ビジュアル要素の活用
マニュアルには、図やグラフ、画像などのビジュアル要素を取り入れることで、情報の理解を助けます。プロセスの流れや重要なポイントを視覚的に表現し、新入社員にとってわかりやすくします。
・継続的なアップデート
営業の状況や手法は変化する可能性があるため、マニュアルは継続的にアップデートしなければなりません。新入社員に最新の情報を提供し、過去のバージョンとの差異を明確に示すことで、正しい情報を確実に学べるようにします。
・質問への対応方法の提供
マニュアル内には、新入社員が質問や疑問を持った際の対応方法を記載することも重要です。FAQセクションを設けたり、質問を想定して回答を用意したりすることで、新入社員の不安を軽減します。
・簡易チェックリストの提供
営業活動のステップやタスクをまとめた簡易チェックリストを用意することで、新入社員が必要なステップを確認しやすくします。手順を踏む際に便利なツールとなります。
新入社員にとって理解しやすく、実践できる営業マニュアルを作成するためには、情報の整理と適切な文言の選定が重要です。新入社員の立場に立ち、初めての営業活動をサポートするための資料として設計しましょう。
【6.新規営業を仕組み化し、新入社員でも開拓できる7ステップ】
これまでは新規営業の仕組みを用いた新規開拓強化策の利点や仕組みを解説してきました。ここまでの話を聞いて「新規営業を仕組み化したい」と思った方に向けて、具体的な手順を紹介します。
1.目標設定と戦略の明確化
ターゲットとなる新規顧客層を特定し、営業戦略を明確にします。
目標設定と戦略の明確化は、新規営業を成功させるための基本ステップです。以下に詳細を説明します。
①目標設定
・具体的な目標の設定
まず、達成したい結果を具体的に設定します。たとえば、新規取引先を年間10社開拓するという目標を定めます。
・計量可能な指標
目標を測定可能な指標に変換します。例えば、新規取引先の数や売上増加率などが該当します。
・目標期間
目標を達成する期間を設定します。長すぎず短すぎない期間を選び、途中で進捗を確認できるようにします。
②戦略の明確化
・ターゲット市場の定義
新規取引先をどの市場や業界にターゲットとするかを明確にします。特定の市場をターゲットとしているはずですが、更に絞ったセグメントを選定します。
・競合分析
ターゲット市場における競合他社の分析を行います。競合の特徴や提供している価値を理解することで、差別化されたアプローチを構築できます。
・独自の価値提案
自社の強みや特長を明確にし、それをターゲット顧客にどのように伝えるかを検討します。なぜ顧客があなたのサービスを選ぶべきなのかを明確にします。
・セールスプロセスの設計
顧客のニーズに合わせたセールスプロセスを構築します。見込み客の発見からクロージングまでのステップを明確にし、各段階でのアプローチを決定します。
・マーケティング戦略
顧客に対するアプローチ方法を選定します。デジタルマーケティング、展示会、セミナーなど、どのような方法でターゲット顧客と接触するかを計画します。
・予算とリソースの確保
戦略実行に必要な予算と人材リソースを確保する計画を立てます。営業活動のために必要な資源を適切に割り当てます。
目標設定と戦略の明確化を行うことで、新規営業活動の方向性を持って進め、効果的な結果を得るための基盤を築くことができます。
2.プロセスの整備とマニュアル化
新規営業のステップや手順を整理し、マニュアル化して新入社員に提供します。
プロセスの整備とマニュアル化は、新入社員でも一貫性のある営業活動を行うために重要なステップです。以下に詳細を説明します。
①プロセスの整備
・ステップの特定
新規営業活動における各ステップを明確に特定します。例えば、リサーチ、アプローチ、ニーズの特定、提案、クロージングなどのステップが考えられます。
・ステップの順序
各ステップの順序を確定します。ターゲット顧客との接触方法やコミュニケーションの順序を定めることで、一貫性を保ちながら進めることができます。
・担当者と役割分担
各ステップにおける担当者と役割を明確にします。誰がどのステップを担当し、どのような責任を持つかを定義します。
②マニュアル化
・プロセスマップの作成
各ステップとその流れを可視化するプロセスマップを作成します。流れをグラフィカルに表現することで、新入社員が理解しやすくなります。
・詳細な手順の記載
各ステップごとに詳細な手順や行動を記載します。どの情報をどのように収集し、どのようなアプローチを取るかを具体的に説明します。
・テンプレートの作成
メールテンプレートや提案書のテンプレートなど、新入社員が活用できる素材を用意します。これにより、一貫性のあるコミュニケーションが可能となります。
・成功事例の共有
過去の成功事例や失敗事例を取り入れて、どのようなアプローチが効果的だったかを共有します。これにより、新入社員が実践に役立つ知識を得ることができます。
・定期的な更新
営業プロセスやマニュアルは変化することがあるため、定期的な更新を行います。変更点や改善点を反映させ、最新の情報を提供します。
プロセスの整備とマニュアル化によって、新入社員が確実に効果的な営業活動を行えるようサポートすることができます。
3.トレーニングと教育プログラムの開発
新入社員向けの研修プログラムを設計し、営業スキルや製品知識のトレーニングを行います。
トレーニングと教育プログラムの開発は、新入社員のスキル向上と成功を支援するための重要なステップです。以下に詳細を説明します。
①トレーニングと教育プログラムの開発
・ニーズの特定
新入社員が必要とするスキルや知識を特定します。営業スキル、製品知識、コミュニケーション能力など、具体的なニーズを把握します。
・カリキュラムの設計
必要なスキルや知識をカバーするカリキュラムを設計します。トピックごとに内容や研修時間、方法を決定します。
・モジュールの作成
各トピックごとに独立したトレーニングモジュールを作成します。これにより、効果的な学習体験を提供しやすくなります。
・対話的な要素の組み込み
講義だけでなく、ロールプレイやシミュレーションなどの対話的な要素をプログラムに組み込むことで、実践的なスキルの習得を促進します。
・トレーナーの選定
経験豊富な社員やトレーナーを選定し、プログラムの講師として任命します。彼らが実務経験を共有することで、学習の効果を高めます。
・アセスメントとフィードバック
学習の進捗を評価するためのアセスメントや練習問題を用意し、個別のフィードバックを提供します。これにより、成長の方向性を示します。
・実践の機会
プログラム終了後も実際の営業活動でスキルを実践できる機会を提供します。アサインメントや実務への参加を通じて、習得した知識を応用します。
・継続的な学習
トレーニングプログラムを一度きりで終えるのではなく、継続的な学習プランを提供します。新たなトピックやスキルについても学び続ける文化を醸成します。
トレーニングと教育プログラムの開発によって、新入社員が必要なスキルを効果的に習得し、実務で成功するための基盤を築くことができます。
4.顧客リサーチとリストの作成
ターゲット顧客のリストを作成し、マーケットリサーチを通じてニーズを把握します。
顧客リサーチとリストの作成は、効果的な新規営業活動を行うために欠かせないステップです。以下に詳細を説明します。
①顧客リサーチとリストの作成
・ターゲット顧客の特定
ターゲットとする中小企業オーナー経営者のプロファイルを特定します。業界、規模、地域などの要因を考慮して、具体的な顧客セグメントを定義します。
・市場調査と分析
選定した顧客セグメントに関する市場調査を実施します。市場のトレンドやニーズ、競合他社の情報を収集し、戦略の根拠を強化します。
・顧客のニーズの特定
ターゲット顧客のニーズや課題を理解します。インタビューやアンケートを通じて、顧客の要望や期待を把握します。
・リストの作成
ターゲット顧客のリストを作成します。これには、企業名、連絡先、役職、業界などの情報が含まれます。
・データベースの利用
市場調査会社のデータベースや業界団体の情報を活用して、潜在的な顧客リストを収集します。
・パーソナライズ
リストを作成する際、個々の顧客に合わせてパーソナライズすることを心掛けます。企業のニーズや特徴に基づいてカスタマイズされたアプローチを考えます。
・リストの管理
リストを適切に管理するためのツールやソフトウェアを活用します。CRM(顧客関係管理)ツールなどを使用して、情報を整理し、フォローアップを効率化します。
・定期的な更新
リストは変化するため、定期的な更新が必要です。新たな顧客の発見や既存顧客の変化を反映させます。
顧客リサーチとリストの作成によって、ターゲット顧客のニーズや特徴を正確に理解し、効果的なコミュニケーションを展開するための基盤を築くことができます。
5.営業ツールの導入
CRMツールなどの営業支援ツールを活用して、顧客情報の管理と効果的なフォローアップを行います。
営業ツールの導入は、効率的な営業活動を支援し、顧客情報の管理やフォローアップを強化するために重要です。以下に詳細を説明します。
①営業ツールの導入:
・CRM(顧客関係管理)ツールの選定
CRMツールは顧客情報を一元管理し、タスクの追跡やコミュニケーションの履歴を保持するのに役立ちます。適切なCRMツールを選定し、社内のニーズに合わせてカスタマイズします。
・顧客データの統合
顧客情報を統合的に管理するため、CRMツールに顧客の基本情報、購買履歴、コミュニケーションログなどを記録します。
・カスタマイズと設定
CRMツールを自社のプロセスに合わせてカスタマイズし、必要な項目やワークフローを設定します。これにより、営業プロセスを円滑に管理できます。
・タスクとアラートの設定
フォローアップやタスクのスケジュールをツールに設定し、期限やアラートを通じて忘れずに行動できるようにします。
・ドキュメント管理
提案書や資料などのドキュメントをツール内で管理し、必要な時に簡単にアクセスできるようにします。
・分析とレポート
CRMツールは営業成績や顧客動向を分析できる機能を提供します。売上分析、顧客行動のトレンドなどを可視化して洞察を得られます。
・モバイル対応
営業担当者が外出先でも情報にアクセスできるよう、モバイルアプリを提供することで、柔軟な作業が可能となります。
・トレーニングとサポート
ツールの導入後もトレーニングやサポートを提供し、社員がツールを効果的に活用できるようにサポートします。
・データセキュリティ
顧客情報は機密性が高いため、ツールのセキュリティ対策を強化し、データ漏洩を防ぐようにします。
営業ツールの導入によって、顧客情報の正確な管理や営業活動の追跡が容易になり、効果的なフォローアップやタスク管理が可能となります。
6.メンタリングとアサインメント
経験豊富な社員が新入社員をメンタリングし、実際の営業活動に参加させながら学習を促進します。
メンタリングとアサインメントは、新入社員の成長を促進し、実践的な営業スキルの習得を支援するための重要な手段です。以下に詳細を説明します。
①メンタリングとアサインメント
・メンタリングの設計
経験豊富な社員が新入社員をメンターとして指導します。メンタリングプログラムを設計し、指導内容やスケジュールを定めます。
・目標の共有
メンタリング関係を構築する際に、新入社員とメンターとの間で共有する目標を明確にします。新入社員が何を達成したいかを理解し、そのためのロードマップを策定します。
・スキルと知識の共有
メンターは実務経験を共有し、営業スキルや知識を新入社員に伝授します。成功事例や失敗事例を通じて学びを提供し、実践的なアドバイスを提供します。
・アサインメントの割り当て
新入社員に実践的なタスクやプロジェクトをアサインします。これにより、学んだスキルを実際の営業活動に適用し、経験を積む機会を提供します。
・定期的なミーティング
メンターと新入社員は定期的にミーティングを行い、進捗や課題を共有します。フィードバックを受けながら学びを進めることができます。
・振り返りと改善
実践経験を振り返り、新入社員とメンターで双方向のフィードバックを行います。プロセスやアサインメントの改善点を特定し、次のステップに活かします。
・キャリアパスの設計
メンタリングとアサインメントを通じて、新入社員のキャリアパスを設計します。成果や成長に基づいて、次の段階への進化を計画します。
メンタリングとアサインメントによって、新入社員は実践的な経験を得ながら成長できる機会を持ち、経験豊富な社員の知識と洞察を活用することができます。
7.成果のモニタリングと改善
定期的に成果を評価し、営業プロセスやトレーニングプログラムを改善していきます。
成果のモニタリングと改善は、新規営業活動の効果を評価し、プロセスや戦略を最適化するために重要です。以下に詳細を説明します。
①成果のモニタリングと改善
・キーパフォーマンスインジケータ(KPI)の設定
成果を測定するためのKPIを設定します。例えば、新規取引先の数、売上増加率、取引先からのフィードバックなどが該当します。
・データの収集
定期的にKPIに関するデータを収集します。CRMツールや売上レポート、顧客アンケートなどを活用して、適切な情報を収集します。
・分析と評価
収集したデータを分析し、KPIの達成度を評価します。何がうまく機能しているか、どの分野で改善の余地があるかを明確にします。
・成功事例と失敗事例の分析
過去の成功事例や失敗事例を分析し、成功要因や課題点を特定します。これにより、同様の状況での改善点を把握します。
・フィードバックの収集
顧客や新入社員からのフィードバックを収集し、顧客満足度や新規営業プロセスの改善点を把握します。
・改善の提案
データとフィードバックを基に、プロセスや戦略の改善案を提案します。効果的なアプローチを見つけ、進化させるためのアイディアを発展させます。
・変更の実行
提案された改善点を実行に移します。プロセスの変更やトレーニングプログラムの調整など、実際の活動に反映させます。
・結果のモニタリング
改善を実施した後も、成果をモニタリングし続けます。変更が予想通りの効果をもたらしているかどうかを確認します。
・継続的なサイクル
成果のモニタリングと改善は継続的なサイクルとして行います。変化する市場状況や顧客ニーズに適応し、常に最適なアプローチを模索します。
成果のモニタリングと改善によって、営業活動の効果を向上させ、効率的な営業プロセスを維持することができます。
これらのステップを通じて、新規営業を仕組み化し、新入社員でも開拓できる体制を構築することが可能です。詳細な情報や具体的な内容についてご質問があれば、お気軽にお尋ねください。
【7.新規営業の仕組みに対してよくいただく質問】
これまで、新規営業の仕組みを用いた新規開拓強化策を述べてきました。ここからは、この仕組みに関して経営者の皆さまからよく受ける質問に回答いたします。
①従業員の能力が低いのだが大丈夫か?
従業員の能力が低い場合であっても、問題ありません。
われわれ中小企業は、優秀な人材がいなくても組織が回るように仕組みづくりをしなければならないのです。
そして、その仕組みは、従業員の能力を1(最低)から10(最高)までとすると、3か4くらいの能力の従業員を活用する前提とするのです。もし、1の能力しかない従業員がいた場合には、その能力に合わせてマニュアルなどの仕組みづくりを行い、能力の向上とともに仕組みをブラッシュアップしていけばいいのです。
能力が低い従業員を支援し、成長機会を提供することが大切です。フィードバックやコーチングなどを通じて従業員が自己改善に取り組めるようにし、会社全体の成果に貢献できるようサポートしていきましょう。
②これまで新規営業をしたことがないが仕組みづくりはできるか?
これまで新規営業をしたことがなくても、新規営業の仕組みを構築することは十分に可能です。ただし、経営者としての覚悟をもって挑んでください。
所属している系列の親企業からの受注だけで、特に新規営業をする必要もなく、言葉を選ばなければ「経営者として何も考えなくても」、会社として稼ぐことができていたという経営者の方からこのようなご質問が多いです。
「コロナ禍の影響で親会社からの受注が減り、稼げなくなってしまった・・・これまで新規営業なんてやったことないし・・・(汗)」という感じでご相談をいただきます。
「経営者としての覚悟を持って、あなたが親企業以外の企業から新しく受注を獲得してください。一発逆転できるような解決策もないわけではありせんが、先ずは1社獲得されてからでないと、うまくいきませんので・・・そして、その1社をどうやって獲得したかをマニュアルに落とし込んで、新規営業の仕組みを回してください。」と回答を差し上げています。
系列会社という明確な資本関係がなくとも、売り上げが大口の受注先に依存していて、完全な下請け状態になっている中小企業も少なくありません。
上記のように会社が「系列」や「下請け」になっている場合、親会社や大口受注先の業績・受注が順調であれば、どなたが経営者であったとしても問題は発生しません。
極端な話、経営者が不在であっても親会社からの売り上げがあがるため、人件費や経費を差し引いても利益は残るのです。
このような関係性では、親会社や大口受注先からの出向先にされ、経営者を受け入れている中小企業が多いのが現状です。
しかし、コロナの影響でその状況が変わってきました。
今まで盤石だと考えていた親会社の業績が先行き不透明となり、その皺寄せが下請けである中小企業にきているのです。
オーナー経営者であれば、親企業からの皺寄せがきても自力で新規大口受注先を獲得しようと率先して動き、全身全霊をかけて様々な策を実施されますので大きな問題になる前に挽回できる可能性が高いのです。
一方で、問題が大きくなる可能性が高いのが、親会社や大口受注先から出向してきた方が経営者となっている場合です。親会社や大口受注先から出向してきた方が経営者の場合は、一般社員と何ら変わらない「雇われ社長(=会社員)」だからです。
「何か一発逆転できるような解決策はありませんか?」という質問は、オーナー経営者であれば絶対に口にされないはずです。
良い悪い、ではなく、オーナー社長と雇われ社長の覚悟の違いが、この一言にあらわれていると言えるでしょう。あなたは経営者としてどうなされますか?
新規営業のプロセスは継続的にトライ&エラーと適応が必要です。成功したアプローチを強化し、改善点を特定し、徐々に経験を積み重ねていきましょう。
経験がないからこそ、新しい視点やアプローチを持ち込むことができる場合もあります。トライ&エラーを通じて、新規営業の仕組みを効果的に構築することができますので、自信を持って取り組んでみてください。
③新規事業を推進するために活用できるか?
新規事業を推進するために、新規営業のアプローチを活用することは非常に有効です。以下に、新規事業を推進する際に新規営業のアプローチをどのように活用できるかについて説明します。
・市場の確認と検証
新規事業を立ち上げる前に、その事業アイデアが市場で受け入れられる可能性を検証する必要があります。新規営業のアプローチを通じて、ターゲット市場の顧客とコンタクトを取り、顧客のニーズや反応を調査し、事業の方向性を確認することができます。
・顧客のニーズの特定
新規事業を成功させるためには、顧客のニーズを理解し、それに合わせた価値提案を用意することが重要です。新規営業のアプローチを通じて、顧客と対話し、顧客の課題や要望を明らかにし、それを基に新規事業の方向性を調整します。
・顧客ベースの構築
新規事業を始める際には、顧客ベースを確立する必要があります。新規営業のアプローチを通じて、新しい顧客を獲得し、事業の立ち上げから早い段階で収益を上げることができます。
・提案と価値訴求
新規事業を推進するためには、顧客に対して新しい価値を提供する必要があります。新規営業のアプローチを通じて、提案書やプレゼンテーションを作成し、新規事業の価値を顧客に訴求します。
・市場参入戦略の検討
新規事業を市場に導入する際には、適切な市場参入戦略を検討する必要があります。新規営業のアプローチを通じて、競合分析や顧客のフィードバックを収集し、適切な戦略を選定します。
・リピーターやアンバサダーの獲得
新規事業を立ち上げた後も、リピーターやアンバサダーを獲得することが重要です。新規営業のアプローチを通じて、顧客との継続的な関係を築き、長期的な成功を支えます。
新規事業の推進には、顧客との関係構築や市場の理解が不可欠です。新規営業のアプローチを通じて、早い段階から顧客との対話を始め、市場の反応や需要を踏まえながら事業の方向性を進化させていくことが重要です。
【8.最後に】
新規営業の仕組みを用いた新規開拓強化策は、戦略的プロセス明確化やアプローチ戦略が少し難しいですが、この仕組みをつくることで新入社員でも短期間で育成することが可能であることをご理解いただけたのではないでしょうか。
だれでも新規営業が可能になる新規営業の仕組みについては、三種の神器(事業未来図・提案書・営業マニュアル)の活用などの重要なポイントがたくさんありますので、ぜひパートナーとなるコンサルティング会社の選定は慎重に行うようにしましょう。
最高経営責任者であるあなたは、どのようにして新入社員でも3ケ月で一人前の新規営業担当者として育成するプログラムをつくりあげることで、新規営業の仕組みを構築されますか?